1998年の母子健康手帳から「日光浴」の文字が消え、戸外での気候の変化に適応させるための「外気浴」にかわりました。これはオゾン層の破壊により紫外線が地表にふりそそぐ量が増え、紫外線を浴び続けることが人体に有害であることがわかってきたからです。紫外線の害は女性の肌のハリを失わせ深いシワをつくるだけでなく、体を守る大切な免疫力を低下させ、皮膚がん発生や、白内障疾患の原因になる恐ろしいものです。
とくに子どもは皮膚が薄く紫外線の悪影響を受けやすいのでもっとも注意が必要です。真っ黒に日焼けした子どもを健康的と思うのは大間違いで、皮膚の細胞遺伝子が傷つけられていると認識することが重要です。一生に浴びる紫外線量の半分は18歳ぐらいまでに浴びてしまうといわれています。紫外線対策は早ければ早いほど良いので、新生児から無駄な日焼けをしないように保護してあげることが、大人になって皮膚の老化や皮膚がんを防ぐことにつながります。
紫外線は晴れを100%とすると大雨の真っ暗な空でも30%、曇りは80%くらいまで最大で地表に届いています。さらに木陰でも地表のコンクリートや海やプールの水面の反射で20%、雪は80%、室内にも降り注いでいます。
一生で受ける紫外線量を抑えるためにも、つばが広くてひと周りある帽子をかぶる、できるだけ長袖長ズボンを着る、日焼け止めクリームをこまめに塗る、紫外線カットのサングラスをかけましょう。日焼け止めクリームはお子さんの肌への負担の少ない紫外線吸収剤が配合されていない無香料、無着色のものを選び、こまめに塗りなおします。クリームを塗っているからと安心して長時間紫外線に浴びせないようにしましょう。日傘を使用しているお母さんは傘を高くあげずに低くさすことがポイントです。
紫外線から皮膚を守るために、日頃からビタミンC(果実、野菜、いも類),E(玄米、ゴマ、ピーナッツ、大豆)を含む食品や紅茶や緑茶を摂取すると効果的です。紫外線の害を知り太陽と上手につきあいましょう。