子どもが巻き込まれる痛ましい事件が相次いで起きています。未就学児や小学生が被害に遭う事件は後を絶ちません。子どもを取り巻く環境が変わってきているなかで、今の時代にあった安全対策が必要です。 子どもを守れるもっとも影響力の大きい人は、だれよりも親であるという意識をもって『うちの子は大丈夫』という根拠のない思い込みがないか、もう一度安全対策を見直してみましょう。例えばテレビや新聞で報道される事件と同じような状況に置かれたら自分の子どもはどう対応するか、具体的にイメージできないとしたら危機意識や安全対策は十分でないことが言えます。のびのび育てる(安全な環境で安心して過ごす)ことと、自由にさせる(危険に対して無防備である)ことは別のことです。家庭は子どもと過ごす時間が長く、発達段階に応じた継続性の高い教育ができる場所です。親の見守りだけでなく、子どもにも「自分の体を守る」ことの大切さに気づかせ、具体的な対処法を教えて「狙われにくい子ども」に育てましょう。
まず大事なのは、子どもに過剰な恐怖心を植えつけることなく、子どもに身を守ることの意味を理解させることです。「怖いからね」「気をつけて」という言葉の前に、「あなたが誰かに傷つけられたり、すぐに探せないような場所に連れて行かれたりしたら、お父さん、お母さんは悲しくてたまらない。」という親の気持ちを伝えて抱きしめましょう。「自分の存在がどれほど親にとって大切で、自分が危険な目に遭うことは親にとっても悲しいこと」に気づかせることによって自分を守る意識が芽生えます。 その上で、犯罪が起きやすい場所、日頃の人との接し方、子どもがひとりになるときや子ども同士で遊ぶときなどにどんなことに注意すればいいのか教えましょう。
外出するときの注意として「ひとりでいる子どもが狙われる」ことを説明し、友達同士で遊ぶときには帰る時間、遊ぶ場所、友だちの名前を伝えるのはもちろんのこと、遊ぶ場所を移動するときにも親に連絡することを確認します。見通しが悪い・人通りが少ない・密室になる・助けを呼んでも声が聞こえないなどの危険な場所を実際に確認し、そこで防犯ブザーを使っても効果が低そうなときや、そこをどうしてもひとりで歩かなければならないときの対処法を教えましょう。危険な場所に入ったら警戒して足早に一気に通り過ぎる、あらかじめ子ども110番の家のような駆け込み場所を決めておく、こわいときは無理して通らず遠回りをする、お迎えに来てもらうなど安全策を親子でよく話し合いましょう。