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8人の児童がいのちを奪われた大阪教育大学付属池田小学校の児童殺傷事件をきっかけに青森市で始まった市民団体の活動。子どもたちの安全を守ろうと毎年小学一年生に防犯笛を配る取り組みで、笛を中学生、高校生、大学生らのボランティアがつくる。長さ5センチほどの携帯用笛で「ピー」と鋭い音がする。その名もたすけっこ。ひもを通したり、結んだり、袋に詰めたりと細かい作業を子どもたちが夢中で作る。

たすけっこの活動

活動を運営しているのは「たすけっこの会」で、会の設立者が事務局長の奈良哲紀さん。設立当時、ご夫婦で夜なべして一つ一つ手作業で笛をつくり、笛を配っていた。「子どものいのちを守るために何かをしなくては」との奈良さんの思いに賛同する小中学校や高校から手伝いの申し出が来るようになった。現在青森市内の中学校を中心にボランティアが増え複数の高校や大学からも活動へ参加する有志がいる。これまでに活動にかかわったのはおよそ7000人。配った笛は10万個にのぼる。最初に笛をもらった一年生が今では「あのときのお返しがしたい」と、笛をつくる側になっている。

この「たすけっこ」の特徴は笛ひとつひとつに子どもたちへの手書きのメッセージが袋に入っていることだ。このメッセージは中高生のほかに、青森県知事、医師、看護士、企業の社長などさまざまな人たちが子どもたちの安全を願い、心のこもったメッセージを書いてくれている。

たすけっこの笛

2007年4月には大阪教育大学付属池田小学校の新入生に笛が贈られ児童や教職員が身に付けている。この「たすけっこ」は東京都目黒区の五本木小学校、南アルプス市の豊小学校、宮城県の大松沢小学校など全国に活動の広がりが出始めている。

子どもの安全には防犯カメラなどの施設面の安全管理が重視されているが、一方で「笛作りを通して自分が他の誰かを守っていると肌で感じられる。いのちを守る心を育むことが今の時代には最も大切なこと」と奈良さんは語る。

当研究所はこのたすけっこ運動を応援します!!